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【第11話:洗濯物】



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「妙子さん、これ。とんだ。カレーうどん。」

「とんだ。カレーうどん。…じゃないわよ~。なんでもっと早く出さないの~。」

「ごめんなさい。遅くなっちゃった。」

「あなたほんとそういうところお父さんにそっくりよ。変なところ似ちゃったのかな。もぉ~。仕方ないなあ…。」

真くんは洗濯が苦手だ。

しわしわになるし、ちゃんと汚れがおちない、と言っている。

妙子さんは、しわしわになるのも汚れが落ちないのも、洗ったり干すまでに時間がたってるからでしょう、と言っている。

どちらが正論なのかわからないが、真くんは妙子さんに申し訳なさそうにしていたし、妙子さんもなんだかんだ言いながら少し嬉しそうだ。

真くんは、だめならだめで大丈夫だからとかなんとか言って、妙子さんと洗濯物を挟んで右往左往していた。

香苗は、真くんもそういうところあるんだなアと思い、それを横目で見ながらロッジで作業をしていた。

真くんって、彼女とかいるんだろうか、いやいないだろうな。

なんて思いながら、洗濯物を挟みうろたえる家族のかたちを見ていた。

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